【 様々な宝石や天然石や稀少石のインクルージョンや光彩効果について 】

稀少石、宝石、天然石の種類を問わず、多くの鉱物は自然が生み出した神秘性や構造美や特殊性を持っています。
純粋に宝石学として考えるならば、鮮やかな単一色で透明感が高く不純物や瑕疵等の存在しない品質のものが最高位となりますが、自然が生み出した鉱物だからこそ産地による特徴やインクルージョンと呼ばれる様々な包有物が天然石としての証明であると同時に神秘性を感じる自然美や構造美を与えてくれます。
こちらのコーナーでは、そんな宝石や天然石、稀少石の有する様々なインクルージョンの世界や様々な光彩効果の魅力を紹介したいと思います。




【 宝石や天然石の様々な光彩効果 】

光彩効果とは光に屈折によって生じる様々な光学現象となり、ルースとしての宝石の多くは光彩効果の有無で宝石名が変わる程に見た目の影響と稀少性に関係してきます。
その全てを紹介する事は難しい為、代表的な光彩効果を抜粋して紹介します。



アステリズム

【 アステリズム:スター効果 】

天然石に包有する縦横斜めの規則性のある針状インクルージョンがカボッションカットに研磨される事で見られるスター効果となり、スターの数は4条、6条、12条といったバリエーションがあります。
サファイアやルビー等のコランダムが有名ですがスピネルやガーネット等、様々な宝石や天然石でも生じる光彩効果で付加価値で稀少石の扱いになる事があります。



【 アデュラレッセンス 】

主にムーンストーン等のフェルドスパーグループの天然石に見られる光彩効果で鉱物の構造的に多層質を持っている事から各層で生じる光の散乱現象の事です。
全てのフェルドスパーグループの鉱物に見られる光彩効果ではありませんが、青または白系の光がルースの表面をベールのように包み込んでいるように見られる神秘的な光学現象です。



【 アベンチュレッセンス 】

アベンチュリン効果とも呼ばれる光彩効果で鉱物に内包された微細な包有物が光を反射した煌きの事で包有物の種類や形状や大きさには関係なくラメのような煌きの総称となります。
規則的に包有しているとは限らない為、見る角度や光源によって煌きが現れたり、違う色の煌きに見える表情の豊かな光学現象です。



【 アイリデッセンス 】

イリデッセンスとはアンモライトやレインボーガーネット等に見られる薄膜多層質の鉱物等に生じる光の干渉による光彩効果となります。
複雑な光の屈折が起こる為、虹色の光彩効果を持つものが多いものの母岩の色合いや成分や構造等によって限定された色帯が強く見られる事もあり、赤と緑等の対比色のどちらかが強く出る場合が多いかもしれません。



【 インクルージョン 】

インクルージョンとは広義で鉱物内の包有物を意味しており、そこには無限のバリエーションやタイプや形状が含まれます。
包有物のない宝石は稀少性が高いものの逆に包有物が存在する事で付加価値となったり、天然石や非加熱未処理の証明となる場合もあり、現在では美しさと個性として受け入れられています。



【 チェンジ・オブ・カラー:変色効果 】

太陽光や蛍光灯の光と白熱灯や炎の光で色合いが変わって見える宝石としては特に稀少性の高い光彩効果となります。
色の変化が劇的なもの程、非常に稀少性が高く付加価値が生じ、宝石としてはアレキサンドやガーネット、サファイア等が有名ですが、劇的な変色効果を持ったルースは極めて稀少な為に高価な宝石や稀少石となります。



【 サンスパングル:ウォーターリリーリーフ 】

インクルージョンの一種で形状が蓮の葉に似た事から東洋ではウォーターリリーリーフやパットと呼ばれ、西洋ではスパンコールのような煌きから太陽の煌きを意味するサンスパングルと呼ばれる稀少なタイプです。
宝石としてはペリドットと琥珀の包有物となり、東洋では縁起物として、西洋では鉱物的な特徴と華やかさから人気があります。



【 シャトヤンシー:キャッツアイ効果 】

その名の通り猫の目のような光の筋が入る光彩効果でアステリズム:スター効果と違い主に特定の方向に入った包有物に起因して生じる光学現象です。
宝石名としてキャッツアイと呼ばれるものはハニーカラーのクリソベリルとなりますが、キャッツアイ効果を持った宝石や天然石は多くの種類と色合いがあり、スター効果と同様に人気の高い光彩効果となります。



【 シラー:シーン 】

シラーやシーンと呼ばれる光彩効果は、アデュラレッセンス同様に主にムーンストーン等のフェルドスパーグループの天然石で特に透明度が高い高品質なルースに見られます。
その特徴は揺ら揺らとした揺れるような錯覚を感じる幻想的な光学現象となり、ムーンストーンの名称と対になって神秘的な美しさとして知られます。



【 シルク光沢 】

シルク光沢とはシルク状包有物による光彩効果で見た目的にシルキーな独特の光沢感を持った幻想的な雰囲気を特徴とします。
その多くは高価な宝石にしか表れず、幻のカシミール産のサファイアや一部のルビーやサファイヤ、クリソベリル等に見られますが、あまりシルク状包有物が多いと色味の鮮やかさが損なわれる為、上級者向けの光彩効果となります。



【 タブリング:複屈折率 】

ダブリングとは石の中に入った光が二重の光となって出ていく複屈折率を持った宝石や天然石の特徴でカット研磨されたルースの場合、真上から見ると裏側のカットの線が二重に見える現象となります。
天然石か人工石かを見分ける基準のひとつで特に光彩効果として付加価値はないものの高い分散率を持った宝石や天然石の場合、その煌きが引き立ちます。



【 テネブレッセンス 】

テネブレッセンスとは、紫外線の光によって色が変化し、その後、時間の経過と共に元の色に戻るという特殊な光彩効果となり、この光彩効果を持った宝石や天然石は非常に限定されています。
ハックマナイトや一部のソーダライト、特定のスカポライト等、どれもが宝石質の原石が少ない鉱物となり、透明感の高いタイプは非常に高価なものとなります。



【 トラピッチェ 】

トラピッチェは光彩効果とは違い結晶構造による柄模様を表す表現となります。
主に亀甲型や六条の筋模様をしており、宝石ではエメラルドやルビーやサファイア、天然石では水晶等に稀に見られる限られた産地でしか産出しない稀少な柄模様となり、結晶を輪切りにしたスライス、それをカボッションカットにしたルース等があります。



【 ネオンカラー 】

鉱物の中で透明感の高い鮮やかなネオンカラーを持った宝石質のものは少なかったもののブラジル産のパライバトルマリンが登場した事で稀少ながらも非常に人気が高くなった宝石の世界では珍しい色合いとなります。
かなりの割合でパライバカラーと言えば独特のネオンカラーをしたブルーグリーンのイメージとなる程に浸透した色目となっています。



【 パーティーカラード 】

パーティカラードとは、ひとつのルースに複数の異なる色合いが認められる固有の宝石名を持ったルースに冠せられる呼び名となります。
基本的にカラーバリエーションの豊富な宝石が中心でサファイアやトルマリン等が有名で色合いが混じり合ったものはパーティカラードとはならず、例えば黄色と赤色のパーティカラードと橙色は違うじゃん?って感じです。



【 バイカラー 】

パーティカラードと似たタイプで2つの異なる色合いがひとつのルースに認められるタイプの通称です。
鑑別機関の鑑別書ではパーティカラードと表記される事が多いものの一般的に2色タイプのルースはバイカラーと呼ばれ、ルースの半分が違う色をしている場合や2色の色が混じり合わずに独立した色として認識されるルースに使われます。



【 ピンクファイヤー 】

ピンクファイヤーは眩い鮮やかなネオンピンクの煌きの事で主に水晶にインクルージョンとして内包され、光の反射でピンク色に見える光彩効果です。
インクルージョンとしてはヘマタイト、コベリン等、様々な説がありますが、ピンクの反射光が見れない角度で見ると粒子状もしくは破片状の細かな金属光沢をした包有物が光の加減で劇的に鮮やかなネオンピンクの反射光を放ちます。



【 プレイ・オブ・カラー:遊色効果 】

プレイ・オブ・カラーとはオパールが持つ見る角度や光の加減によって様々な色合いが見える遊色効果と呼ばれる特殊な光彩効果です。
広義では前述のイリデッセンスと呼ばれるアンモライトやシェル、レインボーガーネット等に見られる光彩効果も遊色効果の一種となりますが、プレイ・オブ・カラーと呼ばれる強く激しい変彩が見られる宝石はオパールとなります。



【 フレーム:火焔模様 】

フレーム(火焔模様)とは、コンクパールに見られる特有の火焔のような光彩効果となります。
真珠はテリやマキといった専門の品質基準があり、その形状による固有のスタイル等が決まっている事から少し難解かもしれませんが、コンクパールのフレームは誰が見ても分かる光彩効果でコンクパールの為に付けられた表現となります。



【 ペリステリズム 】

ペリステリズムはフェルドスパーグループの中で青色のアデュラレッセンスに似た光彩効果となり、主にペリステライトに見られます。
鳩の首の部分みたいな光沢感を持ったペリステリズムはアデュラレッセンスがルース全体を包み込むような光り方をするのに対して部分的なもので見る角度や光の角度で見られる鉱物の構造特性による光学現象で主に青白い色です。



【 ホーステール 】

ホーステールとは名前通り馬の尻尾を意味する微細な繊維状のインクルージョンとなります。
このホーステールはデマントイド・ガーネットの為に付けられた特殊なインクルージョンの名称となり、それ以外の宝石には通常は記載されないもののデマントイド・ガーネットに関しては記載の有無が重要なポイントとなります。



【 ラブラドレッセンス 】

ラブラドレッセンスとはフェルドスパーグループの中で遊色効果のあるラブラドライトに見られる揚羽蝶の羽のような光彩効果の事です。
フェルドスパーグループは非常にバリエーションが多くタイプによって様々な宝石名を持つ鉱物となりますが、成分の違いで光彩効果の雰囲気も変わり、それぞれに特有の光彩効果名が付いているのが特徴です。



【 レインボー:虹 】

そのままですが虹が見える光彩効果となります。
その多くはルース内にあるフラクチャーやクラック等が入ってくる光に干渉する事で生じますが、ルース内部での光彩効果となる為、それが自然にできたものなのか人為的に石に何らかの方法でクラック等を入れた結果なのか判断するのは難しいかもしれません。



【 レインボーニードル 】

レインボーニードルとは光の干渉で虹色に煌くチューブ状のインクルージョンとなります。
管状包有物とも呼ばれるインクルージョンの中に稀に虹色の煌きが見られるタイプがあり、これは産地や包有する鉱物がある程度、限定されており、その中でも宝石としてはトパーズとスカポライトが有名です。



【 レンズ効果 】

透明度の高い水晶をカボッションカット等にカット研磨する事で拡大鏡のようなレンズ効果を持ちます。
水晶系の鉱物でインクルージョンの入ったタイプはバリエーションも多く微細で微小な内包物であっても拡大されたように眺める事ができ、そのカット研磨次第では万華鏡のように見え、そうした意図的なカット研磨が施されているものがあります。



【 蛍光性と蛍光色 】

全ての宝石や天然石が有している訳ではなく、仮に有していても何の付加価値にもならない場合も多い蛍光性です。
宝石としてはダイヤモンド、ルビーやサファイヤのコランダムの多くは蛍光性の有無が確認され、稀少石や天然石になると蛍光性の強さと蛍光色の色合いが稀少性となる為、紫外線ライト等で照らしてみる事で違った魅力を楽しめます。



【 透光性と透光色 】

透光性とは一見すると不透明で光が通るようには見えない鉱物や天然石が実際には光を通す性質を持っている事となり、その時に見える石の色が透光色となります。
必ずしも透光性があるとは限りませんが宝石では翡翠が透光性を持った鉱物として知られており、翡翠と同様に様々な透光色を持っています。
稀少石としてはセレンディバイト等が該当します。



【 多色性:二色性 】

見る角度によって見える色合いが違う性質の事を多色性と呼び、その中でも2色の色合いに見えるものを二色性と呼びます。
比較的に有名な宝石や天然石で見られる性質でアクアマリン、アイオライト、トルマリン等で見られる光彩効果となり、稀少石ではスポジュメン等が多色性や二色性を持った宝石となり、比較的に大粒サイズのルースもある為、肉眼でも認識し易い光学現象です。





書き始めると終わりがない感じですが、こうした感じで様々な光彩効果や特徴が宝石や天然石や稀少石の魅力のひとつで楽しみ方のひとつになります。

ここに紹介した以外にも多くのバリエーションがあり、もっと細かい説明もできますが、そこはブログを勝手に読んで頂くという感じでお願いします。



糸魚川翡翠と稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」
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