ヒスイ海岸では翡翠だけではなく、多種多様な様々な鉱物を見付ける事ができます。
どんな石も同じように見えても実際には様々な鉱物が混じり合った岩石や珍しい鉱物を含んでいたりと興味を持って見るようになるとひとつひとつの石の特徴や雰囲気や魅力を感じる事ができます。
翡翠に限らず、自然の作り出した神秘性や造形美も楽しんで欲しいと思います。
【 翡翠原石(角々タイプ)】
翡翠は構造的に頑丈な鉱物となる為、海岸採取のような場合であっても角々とした形状をしている事が多く、三角や台形や平面的な板状の形をしている事が多いんですよ。
【 翡翠原石(高品質)】
殆ど発見する事ができないものの稀に透明感があり独特の艶感を持った原石を見付ける事ができ、このような翡翠の原石を見付けたら大満足ですね。
【 翡翠原石(青翡翠)】
翡翠は含有される他の鉱物や元素の影響で様々な色柄のタイプが存在しますが、中でも個人的に一番好きなタイプが俗称でコバルト翡翠と呼ばれる青翡翠なんですよ。
【 翡翠原石(横川ヒスイ)】
白地に青い葉脈模様が特徴的な横川ヒスイは青翡翠のひとつでコントラストと鮮やかな青い柄模様が綺麗な翡翠になります。
【 翡翠原石(閃石が表面に残った翡翠)】
翡翠は構造的に微細なヒスイ輝石の集合体になる為、様々な他の鉱物と混じり合ったタイプが存在し、こちらは波に揉まれた年月が短いのか表面に閃石系の鉱物が残っています。
【 翡翠原石(ヒスイ輝石の含有率が低いタイプ)】
純粋なヒスイ輝石は白色ですが緑色のイメージがあるかもしれません。
【 翡翠原石(曹長岩に混じった翡翠)】
見た目の雰囲気は翡翠っぽく見えるかもしれませんが、主に曹長岩でヒスイ輝石の含有率は低いタイプの翡翠原石です。
【 ロディン石(俗称:キツネ石)】
ロディン石は、翡翠と見間違えられる事が多い為、キツネ石の俗称で呼ばれている鉱物のひとつですが、透輝石や単斜灰簾石、葡萄石からなる曲線的な形の岩石です。
【 ハイドログロッシュラーガーネット 】
翡翠を探している方にとってはキツネ石となりますが、ハイドログロッシュラーガーネット(含水 灰礬柘榴石)のような珍しく美しい鉱物との出会いも楽しみのひとつですね。
【 プレナイト 】
こちらもやはり翡翠を探している方にとってはキツネ石となりますが、プレナイトの宝石名を持つ葡萄石でこうしたメジャーな鉱物との出会いも楽しみのひとつですね。
【 キツネ石(典型的なキツネ石のひとつ)】
石英や透輝石、単斜灰簾石、葡萄石等の様々な鉱物の入り混じった綺麗な薄緑色をした丸みを帯びた典型的なキツネ石のひとつで、僅かにヒスイ輝石が混じっている事もあります。
【 石英(白色の部分)】
無色透明なら水晶と呼ばれる白い石英の表面に蛇紋石等の鉱物が共生しているタイプで石英の場合、透光色が黄色っぽい色をしていますよ。
【 蛇紋石(多様なタイプ有)】
滑々とした触り心地の黒緑青といった色目をした鉱物で強い磁力を持ってるのが特徴で翡翠原石の表面等に透閃石等と共に付着したり共生したりしている事がありますよ。
【 角閃石(閃石の一種)】
結晶構造と化学組成により細かく分類されて日本語名では「〜閃石」という名前が付く角閃石は透閃石や緑閃石やエデン閃石等の様々な種類のタイプがありますよ。
【 チャート(石英を含む堆積岩)】
放散虫・海綿動物などの動物の殻や骨片(微化石)等が成分となった海底に堆積した岩石で赤色、緑色、淡緑灰色、淡青灰色、灰色、黒色など様々な色のものがあります。
【 曹長岩(アルビタイト)】
翡翠に似た構造の鉱物ですが翡翠とは違って石英が含まれて形的にも丸みを帯びたものが多い曹長岩は時にヒスイ輝石も混じった状態で見付かりますよ。
ここからは様々な翡翠の表面状態を紹介します。
翡翠探しの際、その判断のひとつになるかしら?
【 ヒスイ輝石の結晶 】
とても分かり易いのが味の素のような白透明のキラキラした微細な結晶がヒスイ輝石の特徴ですが、長い間、海中や風雨に曝されて肉眼では分からない場合もあります。
【 翡翠の表面(ラベンダー系) 】
ラベンダー系の翡翠に多く見られるのが網の目のような格子状の柄模様をした表面状態になったもので白色系の筋の間から気持ち透明感のあるラベンダー等の色合いが見られます。
【 翡翠の表面(青色系) 】
青色系の翡翠は潮焼け等による黄ばみによって表面が青あざのような色合いになっている事がありますが、青い色味が強くなると明らかに他の鉱物とは違う存在感が出てきます。
【 翡翠の表面(灰色系) 】
灰色系の翡翠は石墨による黒色が混じっている事が多く、石墨の黒い筋が糸を巻き付けたように見える状態で見付かる事がありますよ。
【 翡翠の表面(圧砕ヒスイ) 】
地質環境等の影響で結晶化した翡翠原石が破砕されて再び結晶化する過程でヒスイ輝石が主成分の白系の部分と他の鉱物が主成分となったブドウ状の柄模様になったものです。
【 翡翠の表面(マイロナイトヒスイ) 】
圧砕ヒスイの一種で透閃石や角閃石等の鉱物が入り混じった断層深部の圧砕ヒスイとなり、圧砕ヒスイに比べると見た目でのヒスイ輝石の含有率が分かり難いタイプになります。
【 翡翠の表面(海水等による潮焼け) 】
海岸採取や海中採取の翡翠原石の場合、潮焼けや海焼けと呼ばれる黄ばみに表面が覆われている場合があり、石目や窪み等は黄ばみが強く見られますよ。
【 翡翠の表面(石目) 】
糸魚川翡翠は特徴的に石目と呼ばれる原石として見付かる過程で地圧等の影響で生じた断裂に石英等の鉱物が入り込んだ割れ目のようなものが入っています。
【 翡翠の表面(錆び) 】
翡翠原石に含まれる鉄分が経年変化で錆びとなったり、付近の鉄分を含んだ鉱物等の錆びが移ったりしている事があり、それが産地特有の色合いになっている事もあります。
【 翡翠の表面(風化) 】
品質の高い翡翠の場合は白濁色をした風化膜として、品質的に他の鉱物含有率が高い翡翠の場合は崩れた穴状に水や風等による経年劣化や変化が見られる事があります。
ここからは比較的に品質の高い翡翠原石に見られる透光性という特徴の紹介となります。
透光性とはペンライト等を照射した際、光が抜けていく特徴の事で透光性が深いもの程、品質の高い翡翠として好まれますが、自然光の下や通常の環境照明では分からない事も多い為、それ程までに重視しないケースもあります。
【 翡翠の透光色1 】
透光性のある翡翠原石の中で比較的に多いのが見た目は白色系の色目に対して薄緑色の透光色をしたタイプで見た目の印象と異なる色合いなので最初は驚くかもしれません。
【 翡翠の透光色2 】
純粋な翡翠は白色の微細なヒスイ輝石が集まったものなので透光色がクリアな白色系をしたものもあり、見た目も透光色も純白の白翡翠に見られますよ。
【 翡翠の透光色3 】
採取した鉱物で黄色やオレンジ色の透光色をしたものの多くは石英等の鉱物になりますが、潮焼けした水色系の青翡翠は黄ばみの影響で少し黄色をした透光色になる事がありますよ。
紹介した鉱物はヒスイ海岸や糸魚川で採取できる鉱物のほんの一部で他にも様々な鉱物や岩石が見付かります。
翡翠の色合いや柄模様、その透光性も多種多様でひとつひとつ違った個性を持っています。
翡翠の原石は探しに行けば必ず発見できるものではありませんが、タイミングや巡り合せが良ければ素敵な出会いがあるかもしれません。
特にヒスイ海岸では日本海の波に揉まれて自然で独特な風合いに研磨された翡翠が多く、とてもお薦めです。
糸魚川翡翠と稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」
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